【感想レビュー】
王道の「手違いで相部屋」から、酒が入ると豹変するクール上司——このギャップ一本で最後まで引っ張りきる力がある一作。
仕事中は冷静沈着な水沼さんがパジャマに眼鏡、ほどけた前髪で「チューしよ」と甘え倒す導入が最高のスイッチ。主人公の等身大モノローグが緊張→戸惑い→覚悟へと滑らかに移り、読者の視線誘導とシンクロする。COMICアイルらしい肌の“むち”と柔らかなライティングがベッドサイドの湿度を可視化。ピンクのパジャマのシワ、湯上がりの頬、曇る眼鏡の細部が“酔い”と“距離ゼロ”を実感させる。
カラー→モノクロの切替は加速装置。前半のほろ酔い色調で親密さを育て、モノクロではコマ運びのテンポと擬音のリズムで一気に没入を高める。キス魔ムーブを中心に“口数が多くなる上司”“部下呼びから名前呼びへの移行”“敬語が崩れる瞬間”など、声フェチに刺さる台詞設計も秀逸。
過剰に荒っぽくせず、手つき・体重のかけ方・覆いかぶさる角度で主導権の移動を語る演出が大人。ラストは「やられっぱなしで終わらない」締めで、関係が一夜限りを越えていく余韻もきっちり。上司ヒロイン×ギャップ萌えの決定打、リピしやすい完成度でした。

コメント