
この作品は、ブラック企業で毎日残業漬けの主人公が“復讐”のチャンスを掴むところから始まります。
女上司と同期女子に仕事を押し付けられ、納期直前でも一人で徹夜させられる……そんな理不尽な状況だからこそ、「催眠アプリ」のアイデアが妙にリアルに響くんですよね。しかも実装のきっかけがAIの出力コードというのも、現代的でユーモラス。
面白いのは、主人公が単なる「復讐」だけじゃなく“いたずら”として催眠を使い始める点。積み重なった不満を一気に解放する形で、普段は絶対に見られない女上司や同期女子の姿を操ってしまう流れは、読者にとっても痛快でエロティック。
特に「普段は強気で勝手放題の女たちが、自分の思うままになる」というシチュエーションは背徳感たっぷりで、ブラック会社の日常との対比が効いています。
全体的に、現代社会の理不尽さを“催眠”というファンタジーでねじ伏せるカタルシスが魅力。コミカルさとエロティックさのバランスも良く、主人公の溜め込んだストレスが解放されていく様子は読んでいてスッキリします。
ブラック企業経験がある人ほど「こういう復讐してみたい」と思わせられる、爽快でちょっと危険な作品です。


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